ルックバック

自分の才能に絶対の自信を持つ藤野と、引きこもりの京本。
田舎町に住む2人の少女を引き合わせ、結びつけたのは漫画を描くことへのひたむきな思いだった。
月日は流れても、背中を支えてくれたのはいつだって――。
唯一無二の筆致で放つ青春長編読切。

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コメント

  1. user より:

    憧れは理解から最も遠い感情であることを起点にして、そこから二人が協力をしあうものの最後まで”わかりあう”ということはなく、別の道に続くお互いだからこそ繋がったと感じる展開になっている、と思った。

    私は最近のジャンプ系漫画は、『友情、努力、勝利』の3大原則にのっとるがゆえにバトル系ばかりだなと食傷気味だったのだけど、本当に、次も読みたいと思わせる漫画家に久々に出会えたな、という感動をおぼえた。
    藤本タツキ。
    覚えた。

    逆に言えば、理解は憧れから最も遠い感情かもしれない。
    それでも歩いてく。
    自分の漫画を信じてくれた級友との出会いで、はからずも救われたヒロインは。

  2. user より:

    経験をしたことがある人はわかると思うが、マンガでも小説でも音楽でも創作作品を生み出すということは、比喩ではなく我が子を産みだす感覚にかなり近い。
    自分の身と心を削り捧げる、つまり自分という人間をかなり根こそぎ差し出す行為だからだ。
    その証拠に作り上げた直後、達成感が強すぎてすぐに気づかないが、消耗感がもの凄い。
    (余談だが、マンガ原作者の気持ちを軽んじたテレビ局や出版社界隈の人間がそのことをあまりにわかっていないことには絶望したし、その作者が生み出すものが自分たちの生きる糧なのにも関わらずその敬意のあまりの無さを心底軽蔑する。
    そんなことをやっている猟師がいたとしたら間違いなく自然に殺されるだろう、それと同じ行為だ。
    )もとい、描くことがつなぐ2人の友情は、ともに自分の人生を内面から差し出す行為とともにあったわけで、それは相当に深い絆だったろう。
    お互いの才能に惹かれ惹かれあった人と出会えた喜びを爆発させる雨の帰り道、マンガ賞を受賞したことを2人で確かめた雪の降る日のコンビニ、そして同じ部屋で黙々と作品を描くことに没頭している間2人はお互いに背中を向けていて、ふと振り返った時にその自分の人生を支えてくれる存在がいることの喜びを奇跡を何度も何度も噛み締めただろう。
    部屋に掛けられていた半纏の背中の筆跡に、実際は2人で描いたものではない連載マンガの単行本の描線に、確かに2人でやってきた痕跡を見つけ、自分たちの人生はお互いが振り返った時の友の姿で支えられ導かれていた、それはこれからも続いていく、いや、続けていくのだ。
    卓越した表現力でかけがえのない友情の姿を描いた素晴らしい作品だった。
  3. user より:

    チェンソーマンより好き。

    先に短編で作品に込めた想いを読んでいてよかった。

    読んでなくてもきっとよかった。

    こんな想いができる漫画が生まれてるのね、漫画も読まなければ…

  4. user より:

    綺麗にルックバック(後向きに後ろを向き、過去を振り返り過去に戻り、再び今に戻って後ろ向きから振り返る)をする話。

    起:小学校時代、学級新聞に4コマ漫画を載せる2人は卒業式後に出会い、漫画家を志す。

    承:読み切り作品を2人で手掛け、ペンネーム「藤野キョウ」の作品と思い出が募る。

    転:美大に行く京本と漫画家を続ける藤野は道を別つが、報道で不幸な再会をする。
    藤野は京本との出会いの場へ赴き、今を悔やみ、出会いを後悔し、過去を変える。

    結:2人が出会わなかった過去では空手が京本を救った。
    京本はそれを4コマ漫画にし、背中を怪我する藤野に「背中を見て」とタイトルを付ける。

    今の藤野はその漫画を見て、かつて京本の背中にサインした服が飾られているのを見つける。
    藤野は立ち上がり、自宅へ帰り、再び漫画を書き始める。

  5. user より:

    2024.4.14再読
    説明しすぎず、絵で見せるところがすごい。

    最後の方の展開は、パラレルワールド?願望的な妄想?

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