
自分の才能に絶対の自信を持つ藤野と、引きこもりの京本。
田舎町に住む2人の少女を引き合わせ、結びつけたのは漫画を描くことへのひたむきな思いだった。
月日は流れても、背中を支えてくれたのはいつだって――。
唯一無二の筆致で放つ青春長編読切。
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自分の才能に絶対の自信を持つ藤野と、引きこもりの京本。
田舎町に住む2人の少女を引き合わせ、結びつけたのは漫画を描くことへのひたむきな思いだった。
月日は流れても、背中を支えてくれたのはいつだって――。
唯一無二の筆致で放つ青春長編読切。
コメント
映画は画面の切り取りにより、観客の感じる、時間の流れを規定する。
切り取りがない分、小説は読み手に時間の流れの速さが委ねられる。
漫画はその中間というのが自分の考えだ。
(ちなみにアニメはというと多くの場合、原作の漫画を動かしただけという状況に陥りがちである。
それで素晴らしい作品が生まれるのも見るには見るが、よりアニメという表現を追求するなら、映画的に原作の行間を描くということが求められるのではないか。
)
その意味で、この作品は映画寄りの漫画だ。
こういう映画的な感性を持った人が描く作品がスポットライトを浴びるのは稀であり、良いことだと思う。
SNSの発達で出版プラットフォームの力が弱まったことによる良い面かも知れない。
SNS漫画でこういうクリティカルな短編を見たことはあまりないが。
起:小学校時代、学級新聞に4コマ漫画を載せる2人は卒業式後に出会い、漫画家を志す。
承:読み切り作品を2人で手掛け、ペンネーム「藤野キョウ」の作品と思い出が募る。
転:美大に行く京本と漫画家を続ける藤野は道を別つが、報道で不幸な再会をする。
藤野は京本との出会いの場へ赴き、今を悔やみ、出会いを後悔し、過去を変える。
結:2人が出会わなかった過去では空手が京本を救った。
京本はそれを4コマ漫画にし、背中を怪我する藤野に「背中を見て」とタイトルを付ける。
今の藤野はその漫画を見て、かつて京本の背中にサインした服が飾られているのを見つける。
藤野は立ち上がり、自宅へ帰り、再び漫画を書き始める。
別の世界線があったならば、という切なる想いが溢れている。
ゾクゾクする。
そこからそれをエネルギーにできる人はどれだけいるのだろう
この本はそういう気持ちにしてくれた。
是非一度読んで欲しい。
このマンガを読んだ人の中に絵がそこそこ上手で、それをステータスとして幼少期を過ごしていた人は少なくないと思います。
そういう人はあまりにも主人公の焦燥を投影しやすいんだと思います。
だから衝撃的に感じてしまう。
チェンソーマンではなかった手法を用いて描いているように見えたので、習作のような印象を受けました。
習作にしては面白すぎるのですが。
ルックバックで使われた表現でチェンソーマン2部が描かれるかと思うととても楽しみです。