ルックバック

自分の才能に絶対の自信を持つ藤野と、引きこもりの京本。
田舎町に住む2人の少女を引き合わせ、結びつけたのは漫画を描くことへのひたむきな思いだった。
月日は流れても、背中を支えてくれたのはいつだって――。
唯一無二の筆致で放つ青春長編読切。

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コメント

  1. これほど強い想いで描かれた作品を知らない

    公開時に読んだ人向けに一つだけ。

    当時ある人物の動機の部分が抗議により修正されましたが、この単行本版では公開時とも修正版とも違った内容になっています。

    個人的にはこの単行本に収録されたものが、作者の意図がストレートに伝わって一番良いと思います。

  2. user より:

    再読。

    映画は画面の切り取りにより、観客の感じる、時間の流れを規定する。
    切り取りがない分、小説は読み手に時間の流れの速さが委ねられる。
    漫画はその中間というのが自分の考えだ。

    (ちなみにアニメはというと多くの場合、原作の漫画を動かしただけという状況に陥りがちである。
    それで素晴らしい作品が生まれるのも見るには見るが、よりアニメという表現を追求するなら、映画的に原作の行間を描くということが求められるのではないか。

    その意味で、この作品は映画寄りの漫画だ。
    こういう映画的な感性を持った人が描く作品がスポットライトを浴びるのは稀であり、良いことだと思う。
    SNSの発達で出版プラットフォームの力が弱まったことによる良い面かも知れない。
    SNS漫画でこういうクリティカルな短編を見たことはあまりないが。

  3. user より:

    切なかった。

    少女たちの夢を最高にハッピーな形で締めくくってほしかった。

    この痛みは現実にも起こった。

    この悲しみは本当にあった悲しみだ。

    残された人はどれだけ悲しくても、どれだけ辛くても、前に向かって進まなくてはいけない。

  4. user より:

    良かった。

    泣きそうになった。

    そうやって世界はつながっていて、
    誰かの役にたてるんだなって。

    人を思いやることは。

    大事だって。

  5. user より:

    経験をしたことがある人はわかると思うが、マンガでも小説でも音楽でも創作作品を生み出すということは、比喩ではなく我が子を産みだす感覚にかなり近い。
    自分の身と心を削り捧げる、つまり自分という人間をかなり根こそぎ差し出す行為だからだ。
    その証拠に作り上げた直後、達成感が強すぎてすぐに気づかないが、消耗感がもの凄い。
    (余談だが、マンガ原作者の気持ちを軽んじたテレビ局や出版社界隈の人間がそのことをあまりにわかっていないことには絶望したし、その作者が生み出すものが自分たちの生きる糧なのにも関わらずその敬意のあまりの無さを心底軽蔑する。
    そんなことをやっている猟師がいたとしたら間違いなく自然に殺されるだろう、それと同じ行為だ。
    )もとい、描くことがつなぐ2人の友情は、ともに自分の人生を内面から差し出す行為とともにあったわけで、それは相当に深い絆だったろう。
    お互いの才能に惹かれ惹かれあった人と出会えた喜びを爆発させる雨の帰り道、マンガ賞を受賞したことを2人で確かめた雪の降る日のコンビニ、そして同じ部屋で黙々と作品を描くことに没頭している間2人はお互いに背中を向けていて、ふと振り返った時にその自分の人生を支えてくれる存在がいることの喜びを奇跡を何度も何度も噛み締めただろう。
    部屋に掛けられていた半纏の背中の筆跡に、実際は2人で描いたものではない連載マンガの単行本の描線に、確かに2人でやってきた痕跡を見つけ、自分たちの人生はお互いが振り返った時の友の姿で支えられ導かれていた、それはこれからも続いていく、いや、続けていくのだ。
    卓越した表現力でかけがえのない友情の姿を描いた素晴らしい作品だった。
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